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2009年1月11日にUP


第一章*森の噂
(1)
 羽鳥真朝は、今年の六月に十歳になったばかりの少女だ。
 背は、クラスで背の順に並ぶと、毎年、大抵真中あたりに来る。今年もそうだった。
 体形は、どちらかというと、ひょろりとしている。痩せている、とはいかないまでも、それに近い。肌の色は、結構色白の方だ。日にもあまり焼けない。これは、結構自分でも気に入っている。色白なのは、母親に似ているからだ。
 ここで真朝の家族の話が出てきたから、彼女の家族について話しておこう。
 家族は四人。真朝と、スーパーのレジのパートをしている母親と、双子の弟の夕真、それから、割と有名な会社の支社─今度の家から近い─で働いている父親だ。
 双子と言っても、真朝と夕真は普通の姉弟のようにしか似ていない。
 真朝は先ほど書いたように色白なのに、夕真は父親に似て浅黒い肌をしていた。
 顔立ちは、卵型のところは二人とも、母親譲りだ。後似ているところは、真朝も夕真のように、すっきりとしたショートヘアにしていることくらいだ。
 真朝の顔は可愛いと褒められることもあるが、どちらかといえば、おとなしそうな、はにかんだような笑顔の方が印象に残る。目鼻立ちの線がそれほど印象に残らない。要は、繊細な目鼻立ち、というところだ。
 それに対して、夕真の方が、父親に似て目鼻立ちがくっきりしていて、いつも目立つ。割と整った顔立ちだから、女の子たちから結構人気がある。真朝も時々、女の子から、夕真にラブレターを渡してほしいと頼まれる。
 まあ、この二人は、まだ自分の顔のこととか、もてるかもてないかを、思春期の子供たちに比べれば、あまり気にしてはいない。夕真もラブレターをもらうのはまんざらでもないのだが、真朝以外の特定の女の子と、つきあったことは一度もない。まだまだ、男の子たちと遊んでいる方が楽しいのだ。
 さて、真朝たちが今住んでいるのは、関東の弓白県という県の真ん中あたりにある、だだっ広い平地にある雪花市の北、日根丘町という所だ。ごく遠くに、山が見えるくらいの地域だ。
 真朝たちは今年の四月に、父親の仕事の都合で、この県に引っ越してきた。前はこの県んの北隣、見桑県に住んでいたのだ。
 引っ越しは初めてでドキドキしたが、周りの住宅が真朝たちの家と同じ頃に建てられた分譲住宅街で、前住んでいたアパートよりも広いし、自然もそこそこあるし、お店も近くにあるし、学校も徒歩十五分くらいのところにあるし、駅もそのくらいの場所にあるし、ご近所も幸い好い人ばかりで、引っ越して一週間くらいで、真朝はすっかり気に入ってしまった。何より、女の子の真朝にとっては、最近の分譲住宅街はまるで絵本に出てくる町のように奇麗にしてあるから、そこが気に入っている。それは真朝の母親も同じで、二人で喜んでいた。
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