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ただ、ローブの色は黒じゃなくて、黒みがかった青色だった。ゆったりしているけれど、腰にはローブよりやや濃いめの青色の帯をしめたりして、動きやすいようになっている。ローブのところどころに、純金なのか金メッキなのかわからないが、なにかの動物をかたどった、飾りボタンがついていた。 「女の子の泣き声が聞こえたから、もしや、と思って来てみたんだ。あああ、こりゃどうやら、例の〈噂〉を、また、試した馬鹿がいたんだな…」 と、彼は真朝たちを見て、なんかわかるような、わからないようなことを、頭痛でも起こしてるような表情で見つめた。 「あー、よしよし。心細いだろうけど、泣くなよ、おじょうちゃん。男の子のほうは、大丈夫みたいだな。学園長の部屋に、連れて行ってやるからさ」 彼はそうやさしく言いながら、よしよしと真朝の頭をやさしくなでた。 真朝は、まだいくらかしゃくりあげながら、頭をなでてくれている青年を、驚いたように見た。 お姉ちゃんが驚くのも無理はないな、と夕真は思った。夕真だって、彼を最初に見た時は驚いたのだ。 なぜなら、彼は、髪の色が、アニメの登場人物かなにかのように、青色─どちらかというと、水色だった。 瞳の色は真朝たちとおなじようなこげ茶色だ。 細面…というよりは、やや長めの顔だちをしており、見るからに気が良さそうににこにこ笑っていた。それに、何より目つきがやさしそうだった。それから…雰囲気そのものが。 それで、真朝たちは、彼が信用できそうだと判断した。 「…あ、そうだ。おれの言葉、わかるかい?」 彼がふと思いついたように、心配そうに話しかけてきた。 真朝たちは、うなずいた。その時の二人の表情は、夕真は興味深そうで、真朝は、なんとか涙がひっこんできたところだった。 二人がうなずいたのを見て、彼は心底安心したようだった。 「ああ、よかった。ま、言葉が通じなきゃ、ホンヤクの魔法をお互いにかければいいんだけど、あれも結構疲れるからなあ。 あ、おれの名前は、ルイ・ヴァンダムっていうんだ。年は、結構ノッポだから老けてみられるけど、これでも15歳。ここの魔法学校の5年生だ。 二人の名前は…ああ、こいつは、歩きながら聞こうか」 二人は歩きながら、名前と年齢だけ自己紹介した。 ルイが言っていた〈ホンヤクの魔法〉が気になっていたが、聞く前に、正面玄関の前まで来てしまった。 正面玄関は、かなり背が高い大人が、十分背筋を伸ばして通れるくらい高かった。こげ茶色の、古そうで、高価そうな木材を使っていた。
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