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 ユーマは、外国語をそのまま聞き取り、そして発音する能力に長けているらしく、このパーティの中では、真朝たちの名前をそのまま発音するのが、一番早かった。
 (…ええと、ちょっと待って。疲れてる時の夕真って…)
真朝は、冷や汗をこめかみのあたりに少し書きながら、その辺りのこめかみに、手をあてて、はたと思い出した。疲れている時の夕真は、とんでもなく機嫌が悪くなる。
 真朝は、がんばってよ、という応援の気持ちを込めて、すぐ後ろを歩く夕真を振り返った。
 夕真も、自分の悪いこのくせは知っている。彼なりに、何とか我慢しているらしく、
「大丈夫だよ」
と、元気よく言い、先ほどよりは早足で歩きだしたが、無理しているのは明らかだった。
 「ふむ。今日は、いくらか早めに昼の休憩を取った方がいいかな、ミナ?」
ニングルは、先を軽やかに歩くミナに届くように、やや大きめの声で言った。
 ミナにも、先ほどまでのやりとりは聞こえていたらしい。こちらをくるりと振り返り、苦笑いしながら、はきはきと言った。
「そうだね。私らも初心者の時はつらかったから、お昼より少し早目に、土手で休憩しよう。で、ちょっと休んでから出発ね」
 夕真は、やや罰が悪そうな顔をしていたが、それでも機嫌の悪さをこらえ、右手をちょっと上げて、
「ごめん」
と、つぶやいた。
 小さい頃から、こういう場合は、真朝の方が我慢強い。ちょっと遠めの公園とかに自動車で遊びに出掛けると、大抵夕真の方が、抱っこをせがむのだ。
 街道は途中で幾か所か曲がり道があり、そこで同じ宿屋から出発した冒険者たちが、何組かわかれた。あと、同じ場所を歩いているのは、真朝たちより後から出発した冒険者のパーティが、かなり後方を歩いているだけだ。
 (それにしても、気持ちがいいなあ)
真朝は、夕真のことをしばらく忘れ、周りの景色を見ながら、心底楽しんでいた。
 筋肉痛も、元の世界にいたころより、まだ少し痛むが、それでも早めに良くなっているような気がする。
 今日は天気が良く、暑くもなく寒くもなく、歩くのには丁度いい気候だ。真っ青な空には、雲ひとつない。
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