ホームページトッへ
オリジナル小説のお部屋トップへ
<門の向こう側の物語>トップへ

 地図で見ると、森の東側にはそこそこの大きさの「中池」という名前の池がある。
 中池のまわりも、昔はそうではなかったが、今では綺麗にされていて、森の遊歩道からも、公園の遊歩道からも遊歩道が一本ずつ伸びて、中池につながっていた。
 中池の周りにも外灯と、後は公園と同じ型のベンチがいくつか置かれていた。
 大人から見ると小奇麗で、アスレチック場などもあってなかなか良い公園で、実際休日ともなると、割と遠いところからも家族連れが結構遊びに来るのだが、地元の子供たちの間では、少しばかり無視できない、ミステリースポットになっているのだ。
 さて、その噂は、四つあった。
1・中池には河童が出る
2・森の北側の出入り口の門を、お昼でも夜中でも12時ちょうどにくぐると、その人は消える
3・何年か前に森がある地区の子供会が森の中で肝試しをしたが、本当に幽霊が出て、変になる子がたくさんいて、それから、そこの子供会では、森では肝試しをしていない
4・満月の晩の夜12時頃、森の北側の出入り口の門から、神社の鳥居までを、奇妙な歌を歌いながら歩いて行く、5人の子供たちの影が見える。
 と、以上のような話を、真朝たちは、今度の学校に転校してから、かなり聞いてきた。
 真朝と夕真は他の子のように怖がりつつ、「噂の真相」を確かめようと努力していた。
 〈中池の河童〉は、この町に来てから知り合いになった図書館のお姉さんに聞いたら、それはこの町の昔話だ、ということがわかった。
 3番目の噂は、幽霊が本当に出たかどうかはわからないが、子供たちがかなり騒ぎ、気を失う子まで出たため、肝試しを中止した、ということが実際にあったらしい。これは、正確には5年前の話だ。
 4番目は、神社の神主さん一家はそんなこと無いと言っているが、その家の3人の子供たちは見たと言ってるし、他にも同じように肝試しに行った子供たちの間でも、見なかった、見た、と、意見が分かれているらしい。
 が、真朝たちが、なぜか特別に、本当に知りたいと思ったのは、2番目の話だった。
 お姉さんの話では、本当の話らしい。
 しかも、お姉さんは、その消えた子の友達と、高校生の頃から友達だったそうだ。
 公園の北側の出入り口には、白っぽい灰色の堅そうな石で造られた、門柱の部分に3人の綺麗な女の人が大きな瓶を頭にのせ、3人全員で腕を組んで輪になって踊っている、という彫刻が彫られた、西洋風のおしゃれな門が置かれているのだ。
 その話をそのお姉さんにひそひそ声で尋ねたら、お姉さんはいくぶん苦笑して、「あの噂、まだあったのね」と言ってから、それは自分より何代も前の子供から続いている話だと教えてくれた。
 「あ、でもね、この話は他のお話より、かなり本当なのよね」
戻る
SEO [PR]  ローン比較 再就職支援 バレンタイン 無料レンタルサーバー SEO