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  私たちは6人グループで、皆でわいわい何か話してて、それで何かのひょうしに、この話題になったんじゃないかな。そしたら、彼女が泣きそうな顔で話してくれて、話し終わったら泣いちゃってね。あの時は悪いことしたな」
 真朝と夕真はそれからしばらくそのお姉さんと話したあと図書館から家に帰ったが、それ以来、二人とも、なんとか門で肝試ししようと思っていたのだった。
 そして、今は夏休み。
 加えて、明日はお父さんは、仕事で家にいないし、お母さんもその日は夕方までスーパーで仕事、という、二人にとってはまたとないチャンスが訪れたのだった。
 二人は、休みの日に、よく図書館に朝から出かけることが多かったのを、そうしておいて良かった、と思った。
 お母さんには、朝から図書館に行ってくる、と言えばいいのだ。
 そうすると、お母さんは、お昼までに帰ってくるのか、それともお昼過ぎにも図書館にいるのか、を聞いてくれ、お昼過ぎまでいる、と答えれば、二人のお弁当を作ってくれるのだ。
 二人はお昼過ぎまで図書館で過ごす時は、公園でお弁当を食べてから、家に帰っていた。
 「…明日、いよいよ門をくぐるのか…。あ、門は何回もくぐってるけど、噂どおりに、12時ちょうどにくぐるのか。…もし、本当に消えちゃったら」
 真朝はそう思い、いつもより大きめのバッグに、お弁当を入れることにした。なぜ大きめのバックを選んだのかというと、明日出かける時に、家にいつも置いてあるお菓子を、もしもの時のためにいくつか持っていこうと考えたからだ。後、このバッグは、付属のひもをつければ、リュックにもなる便利なものだった。しかも、バッグの中身がこぼれないように、ファスナーがついている。小さめの水筒を、バッグの横につけることも出来た。
 あと、真朝はそのバッグに、ちょっと厚めの本だが、何年か前に出版されたアメリカの児童向けファンタジー小説〈もう一人の私〉という本を入れた。当時子供たちの間で人気があり、日本でも翻訳された。今でも売れ続けている本だ。真朝のお気に入りの本の一つだった。
 そのお話は、アメリカ人のメアリーという10歳の少女が、この町の公園の門と同じような伝説がある門(ただし物語では、その子の近所の博物館の正門)をくぐりぬけたら、〈ロファーリリーア〉という、剣と魔法のファンタジー世界へワープしてしまい、そこで自分と同じ名前のメアリーという少女と出会い、色々冒険した末、元の世界に戻る、というものだった。
 真朝がその本をバッグに入れた理由は、もし本当に門を通って消えた後の世界─真朝は、門を通って消えた行方不明の子供たちは、別の世界へ行ってしまったのではないかと考えていた─に行ったら、この本に書かれてあることが、何かと役に立つのではないか、と考えたからだ。
 
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