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 「─ぶっ!」
自分が王になる、という事をいきなりミンピアから告げられた時、シシカは自分でも驚くほど恥ずかしくなり動揺し、思わずそんなリアクションをしてしまっていた。
 その後、ティリミーに背中をどうどうと叩かれながら、何とか言った。
「急にバラさないでよ」
哀願の口調だ。
 「まあねえ。国王、ってのは重責だからねえ。長いこと、結構悩んでたんでしょ?」
ころころと愉快そうに笑いながら、ティリアンカが言った。
 「まあ、ご安心を。私たち五色の聖騎士も、お手伝いさせていただくことになってますから」
ロアンナはそう言い、母親らしくやさしく微笑んだ。
 その後で、タイクルドの主だった者たちを集め─ナハルミアの父親もその中にいた─、今度はメナも一緒に喧々諤々話し合った。
 場所は事務所では無く、タイクルドの宮殿にある議事堂だ。
 これが結構大変だったのだ。ナハルミアの父親やメナのように外国人嫌いの人々が、かなり厄介だった。
 が、そんな彼らも、神々の奇跡を目の当たりにすると─人間の力だけでは収集がつかなそうだったので、見かねたウム=ヤナ神が、御自ら、美しい輝きと共に、彼らに声を聞かせたのだ。
 内心では納得出来ない、メナやナハルミアの父親のような者たちも、自分たちが信仰する神から直接お言葉を賜ったとなれば、恐れ多いとして、渋々従ったのだった。
 ただ、無理もないが、本心からでは無かった。
 細かい話をかなり端折るようだが、結論から言えば、シシカはその後、まだいくらか大変だったものの、タイクルドの新国王になった。
 帝国でも神々が御触れを出し、五色の聖騎士をタイクルドに移すと伝えた。
 その後、帝国でも色々なことが起こったが、それは別の物語だ。
 さて、その後の主な登場人物たちのことについて述べておく。
 シシカが継ぐはずだった白の聖騎士の後継者には、ミアナがなることになった。親衛隊隊長は、また別の人物が選ばれた。
 そしてミアナは、ラディオスと結婚した。
 ティリミーはシシカの事を好きだったが、聖騎士を守護する親衛隊隊長は聖騎士とは結婚できないため、思い切り良く諦めた。
 そして、自分の仕事と、神官として、神殿で預かっている孤児たちの面倒などを良く見、彼女自身、幸福で充実した人生を歩んだ。
 ロドルはいろいろあった後、メナと結婚した。
 ラフィオスは生涯独身で、自分の任務に精進し、また、かなり華やかに、気楽に楽しく過ごした。
 後、結婚した者は、ターハとミンピア、ルファディウとシェビニエ、それから、周りを少なからず驚かせたのが、クオンとモモだった。二人は種族が違うし、モモならもっと華やかな男性が、という意見が大半だったが、二人が良ければ、それで良いのだった。
 ちなみに、ターハとミンピアは、侯爵家の身分となり、穏やかに暮らせた。
 そして、最後の一組は、リペシアとシシカだ。
 リペシアはタイクルドの王妃となった。
 「私は、彼女を後ろで動かしたりはしてないよ」
楽しそうに笑いながら、モートウは後に友人となったゴルドとヴィルグに言った。
「私の野望は、チャイルプトハム朝を復活させることだった。しかし、その血を受け継ぐリペシアが王妃になって子供が生まれた今は、それで十分だね」
 それから、三十年ほど後に、クロアータ帝国で反乱が起こり、メアルナ女帝と、その夫のヴィベ・ウオスホンと、二人の子供たちが処刑された。
 彼らは政治を、段々と王政から民主主義にしていこうとしていたのだが、それに反発心を持っていた貴族たちによって、反乱を起こされたのだ。
 メアルナ達が処刑されて後、帝国では何年か争いが起こり、再び、強硬な王権政治に戻ってしまったのだった。それが三千年ほど続いた。
 さて、最後に、ヌートゥ世界はその後、段々と魔法の力が薄くなり、科学の時代に移っていった。
 その時代には、魔法の力などおとぎ話だけの世界、と、なってしまったのだった。

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